こんにちは。京の九条ねぎやさんです。
関西では馴染みの深い九条ネギ(九条ねぎ/九条葱)。
最近は関東のスーパーでもよく見かけるようになりました。
ただ、あまり九条ネギのことを知らない人も多いはず。
「スーパーで売っている九条ネギを買ってみたものの、どう切れば美味しく食べられるかわからない」
「九条ネギの栄養をしっかり摂れる調理方法を知りたい!」
「いつも九条ネギを買っているけれど、できるだけ長持ちさせたい」
「そもそも、九条ネギはどんな特徴があるの?」
そんな疑問を持つ方のために、九条ネギの生産~加工~販売までしている「九条ネギのプロ」である「こと京都・京の九条ねぎやさん」が解説します。
九条ネギの特徴
九条ネギは青葱の一種です。
葉の厚みがあり食べ応えがありながら、柔らかさも兼ねそなえているネギです。
伝統的な京野菜でもあり、その歴史は1300年にも及びます。
西暦711年(奈良時代)、伏見稲荷神社が建立されたときに、現在の伏見区深草地域で原種の栽培が始まったと言われています。
その原種は浪速(大阪)由来の難波ネギとのこと。
平安時代には京都市の九条地区にて栽培されていたという記録があり、「九条ネギ」の名前の元となりました。
現在では京都市内をはじめ、久御山町、八幡市、亀岡市など京都府全域で栽培されています。

関西圏では薬味として日常的に食されるほか、白みそと酢で和える「ぬた」や「ねぎ焼き」などメイン食材として使われることも。
京都ではすき焼き・鍋にもなくてはならない野菜です。
九条ネギの保存方法
基本的に、ねぎは冷蔵庫の野菜室で保管します。
少し湿らせた新聞紙で包み、切らずに折り曲げて保管してください。
冷蔵庫に入らないからといって切ってしまわずに、折り曲げることがポイントです。
冬場は常温での保管が可能です。
そのまま新聞紙に包み、根を下にして立てて日の当たらず、暖房の風などが当たらない場所で保管します。
野菜は、基本的に「育った環境で保存するのがよい」とされています。
ネギは縦に生育するので、冬場はぜひ立てて保存しましょう。
冬でも暖房器具などによって室温を高く保っている場合は、野菜室に保存するのがよいでしょう。
九条ネギの切り方- 基本編
鍋や煮物・炒め物に使う場合

鍋や煮物・炒め物に使う場合は、幅2cmほどでざっくりと斜め切りするのがオススメです。
斜めに切ることで表面積が大きくなり、火が通りやすくなります。
まっすぐに切ってしまうとネギの内側の部分がすっぽり抜けてしまうこともありますので、「大きめの斜め切り」がオススメ。
鍋のなかでも、「しゃぶしゃぶ」で使用したい場合は幅を細くするのがコツ。
細めの斜め切りにすることで、サッと熱を通してほどよいシャキシャキ感を味わうことができます。

薬味に使う場合

幅2mm程度を意識して、包丁をまっすぐにして切って下さい。
よく切れる包丁でないと外側の葉まで切れません。
包丁の切れ味が悪いと感じている方は、事前に包丁研ぎをしておきましょう。

2mmカットを使用した「九条ねぎときのこのうどん」のレシピはこちら
ネギ焼きなどの粉もんに使う場合

ネギ焼きには5mm程度の少し大きめの幅で小口切りにします。
しっかりとしたネギの食感を感じられるのが特徴です。

部位ごとにオススメの切り方
九条ネギは、根元から葉先までまるごと食べられますが、部位によって含まれている栄養が違うことをご存知でしょうか?
その栄養を効率よく摂取するための切り方を紹介します。
九条ネギの栄養について、くわしく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください
根元(白い部分)の切り方
ネギの根元の白い部分は葉鞘(ようしょう)といって、「葉」に分類されます。
土のなかに埋まっている部分なので、白い色をしています。
この部分は、白ネギと同じように、「硫化アリル」が豊富です。
「硫化アリル」は「アリシン」という物質に変化し、ビタミンB1の働きを助けます。
細かく切って空気に触れさせることで「アリシン」は活性化します。
切ってから10分ほどでアリシンの活性はピークを迎えるとされています。
「アリシン」を効率的に摂取するには、九条ネギの根元は2mm程度の細切りか、みじん切りにして空気に触れさせましょう。
食べる10分ほど前を目安に切ることがオススメです。
ネギの辛みをとるために水でさらす調理方法もありますが、これはオススメしません。
アリシンや、水溶性のビタミンも流れ出てしまうためです。
葉先(緑色の部分)の切り方
九条ネギの緑色の部分はビタミンC・β-カロテン、鉄などの栄養が豊富です。
ビタミン類は細かく刻むと失われやすいです。
緑色の部分はできるだけ大きくざく切りにすると、効率的に栄養を摂取できます。
β-カロテンはビタミンAに変換され、視野機能や皮膚・粘膜の健康を守る働きをします。
β-カロテンは生で摂取すると8%程度しか吸収されませんが、油で加熱すれば70%ほど吸収できます。
短時間でサッと油で炒めれば、ビタミンCなどの加熱に弱い栄養もなるべく失わずに済みます。
「根元は細かく、葉先はざく切りにし油でサッと炒める」。
このような調理方法が栄養を効率的に摂取するのには最適です。
まとめ
- 加熱調理をするなら大きめの斜め切り、薬味にするなら小口切り
- 根元の白い部分は細かく切ることでアリシンを活性化させることができる
- 葉先はざく切りにし、油でサッと炒めると栄養を吸収しやすい
今や日本各地で手に入る九条ネギ。
正しい保管方法で長持ちさせ、いろいろな切り方をお試しください。
出典
京都市情報局. 「九条ねぎ」. https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000029306.html, (参照 2023-08-30)
飯田薫子、寺本あい.「一生役立つ きちんとわかる栄養学」.株式会社 西東社.2019,p98,108,126,162,251,254
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 (監修).「その調理、9割の栄養捨ててます!」.世界文化社.2017,p24,25,29,44,45,47
執筆者:関野なつめ





